2001年10月03日 |
チッソ、「ポリリジン」好調、細菌検出シートも上市 |
食品の「安全管理」ビジネス展開へ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:チッソ |
多発する食中毒の防止と対策に社会の関心が高まっているが、チッソはカビや細菌の発生を抑える「ポリリジン」に続いて、このほど、かんたんに有毒な微生物が検出できる「検出培養シート」を開発、本格販売を開始した。ともに社会ニーズが高く、売れ行きも好調なため、同社では今後これらの技術や製品を統合し、「食品の安全管理」事業をビッグビジネスに発展させていく方針だ。 「ポリリジン」は必須アミノ酸の1つであるL-リジンのアミノ基と、カルボキシル基が結合したポリアミノ酸のことだが、同社は数年前世界で初めて発酵法による製造プロセスを確立した。大腸菌やサルモネラ菌など食中毒の原因となりやすい菌類の増殖を抑える効果が高いところから天然系の食品保存料として需要が好調で、八代工場(熊本県)の生産量は増加をたどっている。 一方、微生物検出用の「培地シート」は特殊薬液を塗ったシートと不織布を組み合わせて商品化した。食器洗い機、調理台やドアノブなど、ぞうきんのように拭うだけで、一定時間培養すると、カビや細菌の種類、増殖状況などがしろうとでも判別できるというアイデア商品(商品名『サニ太くん』)。品質、性能面でも優れているので、国際規格AOACに公定法として申請中という。「食中毒の予防には最適」と同社では全国のホテル、学校、料理店などに販路開拓していく方針だ。 同社では、将来これらの食品安全、管理に関する商品を大型ビジネスに育てていこうと近く具体的な検討に入る。 |