2005年06月03日 |
旭化成ケミ、液体か性ソーダ値上げへ |
7月1日出荷分からキロ5円引き上げ |
【カテゴリー】:市況 【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ |
旭化成ケミカルズは、液体か性ソーダの国内販売価格を7月1日出荷分から固形1キログラム当たり5円引き上げることにした。アップ率は18%となる。 同社は工業塩や電力費等原燃料価格の上昇に対応して、昨年4月と10月の2度にわたって合計10円の値上げを打ち出し、7〜8円の底上げを実現した。しかしその後も重油や石炭の価格高騰に伴って電力費のアップが続き、加えて燃料費の上昇や船員法の改正等による物流費の高騰が重なって特にこの4月以降は採算が急速に悪化しているという。 一方、わが国のか性ソーダの需給バランスは、需要が内外とも増加している中で多くのソーダメーカーが長期定修を計画しているため、急速に逼迫し始めており、6月から9月までは逼迫度が一層深刻になる見通し。 旭化成ケミカルズの予想では、5月末に15万トンあった在庫は6月末には7万7,000トン、8月末には7万トンまで減少するという。か性ソーダの場合、必要在庫は12万トンとされているが、これを大きく割り込むことになる。 5月から10月までに定修を実施するのは、ヴイテック(月産1万5,000トン能力)、旭化成・延岡(同1万5,000トン)、東ソー・南陽(同7万7,000トン)、旭硝子・鹿島(同2万8,000トン)、鹿島電解(同3万5,000トン)、カネカ・高砂(同2万9,000トン)、旭硝子・千葉(同2万1,000トン)、トクヤマ・徳山(同4万2,000トン)の各工場となっている。 昨年に比べると全体に運休期間が長く、このため多くのソーダメーカーはスポット輸出を大幅カットして、国内の需要と海外の長期契約分をカバーしていく方針だが、こうした逼迫状態の中で安定供給を維持していくのは容易でないと、同社では今回の値上げ理由を説明している。 |