2005年06月03日
三井化学、PTAの対中輸出価格を引き上げへ
6月分をCFRトン880ドルでノミネート
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は3日、中国のPTA(高純度テレフタール酸)の需要家各社に対して6月のPTAの価格を5月比トン70ドル引き上げたいとの意向を表明した。CFR880ドルを目指す。
 
 同社のPTAの中国向け価格は、3月の970ドルをピークに4月が910ドル、5月が810ドルと2ヶ月連続して下がっていた。しかし、ここにきて中国のポリエステル重合メーカーの間で稼働率を引き上げる動きが顕著となり、同時にわが国やアジア各国のPTAメーカーに対する引き合いも活発となってきたことから採算是正を図るべく値上げに踏み切ることにしたもの。
 同社によると、中国のポリエステル重合(ポリコン)メーカーはこの1〜2週間の間で相次いで稼働率を引き上げており、直近の平均稼働率は1週間前よりおよそ8ポイント上がって73%まで回復してきている模様。これに連動してPTAのスポット相場も反騰、今週半ばの平均価格は1週間前より30ドル高い800ドル弱まで上がっているという。

 同社では、多くのポリコン企業がここにきて操業率を引き上げ始めたのは、4月から5月にかけてPTAとEGの輸入価格が大幅に下がって需要の回復が期待できるようになってきたことと、5月中旬までは3週間分に達していたポリエステル樹脂の在庫が最近では2週間分まで縮小してきたため市場全体に需給タイト感が出てきたためと分析している。
 また、スポット相場が上がってきた要因としては、大口サプライヤーである台湾や韓国のPTAメーカーが4月から5月にかけての中国の輸入価格の続落に音を上げて特に5月に大幅な減産を実施したことも挙げられると説明している。
 そして、こうした背景から6月の輸出価格を880ドルに引き上げることは十分可能と判断している。