2005年06月07日
化成品のアジア市況が相次ぎ反発
化成品のアジア市況が相次ぎ反発
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 三井化学、三菱化学、旭化成ケミカルズ、昭和電工などわが国の石油化学大手によると、主要化成品のアジアのスポット市況が先々週末から先週末にかけてから相次いで反発してきた。
 
 アジア最大の消費国である中国向けを例に取ると、先週末における主要化成品のトン当たりの平均CFR価格は、SMが880ドル、PTAが800ドル、MEGが710ドル、PH(フェノール)が950ドル、BPA(ビスフェノール-A)が1,650ドル、酢酸ビニルが1,130ドル、酢酸エチルが830ドル--などとなっている。
 今年のボトムとなった5月の労働節明けに比べると、SMは40ドル、PTAが30ドル、MEGが60ドル、PHも50ドル、BPAが100ドル、酢ビが130ドル、酢エチが80ドルそれぞれ上がっている。東南アジア市況もこれに連動するかたちで上昇に転じている。
 
 わが国の石化各社は、ここにきてのこうした化成品全体のスポット相場の反騰の最大の要因は中国の需要家ならびにトレーダーの間に滞留していた在庫が各社の買い控えの長期化に伴って急速に底をつき始めたことにあると分析している。また、これまで続いてきた石油化学製品全体に対する先安観が最近の原油ならびにナフサ価格の再高騰で市場から払拭されて逆に先行きの需給と市況に対する不安感が広まりつつあることも少なからず作用しているとの指摘も多い。
 今週以降がどうなるかはまだはっきりしないが、大手商社の中には、化成品に続いて汎用樹脂の市況が底離れし、次いでオレフィンも反騰すると予想する向きが増えてきている。