2005年06月09日
アジアのトレーダ、オレフィンを値上げへ
エチレンでは700ドルのオファーも
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社やエチレンセンター筋によると、今週に入ってアジア地域のトレーダーの間でオレフィンの値上げに踏み切る動きが活発になってきた。トレーダの中には、当面のエチレン価格をトン当たりCFR700ドルに引き上げたいとして需要家に受け入れを迫るところも出てきている。

 今のところ、バイヤーの多くは強く反発しており、実際の契約価格の底上げに結びついていないが、今週松あから来週前半にかけては大半のトレーダが700ドル台への引き上げを要求してくる公算が濃厚と見られるので、化成品や樹脂に続いてオレフィンの相場もしばらくぶりに反騰する可能性が出てきたといえる。

 アジア地域における先週末のオレフィンのCFR価格は、エチレンが極東で620ドル、東南アジアで660ドル、プロピレンが極東で760ドル、東南アジアで810ドルであったと見られている。エチレンは2月から、プロピレンは4月から軟化を続けており、先週も20ドル前後の値下がりとなった。

 こうした中でトレーダが値上げに動き始めたのは、主要誘導品のスポット相場が中国向けを中心に反騰し始めたこと、原油のスポット相場が急騰してきたこと、さらには採算割れに陥った台湾や韓国のエチレンセンターが採相次いで減産に踏み切ったため需給が引き締まってきたこと--など市場環境が大きく様変わりしてきたせいではないかと見られている。センターや大手商社は、来週いっぱいの動きから目が離せなくなったとしている。