2005年06月09日 |
産構審での容リ法論議が最終段階に |
容器包装の有料化等に焦点が絞られる |
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全) 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省は9日、産業構造審議会環境部会の廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループの第23回会合を開き、容器包装リサイクル制度の見直しについてのこれまでの同WGにおける論議を整理した「中間取りまとめに向けたたたき台」を示して各委員の意見を求めた。 同省が示した「中間取りまとめのたたき台」の内容は、(1)容器包装リサイクル法の評価・検討の方向性(2)容器包装リサイクル制度の見直し(3)見直しの具体的な方向性(4)更なる検討の必要性の計4つのテーマを巡ってこれまで同WGで進められてきた論議を整理したもの。この日の会合では、今後の役割分担の問題を巡って自治体の代表委員と産業界の代表委員との間で引き続き対立がみられたものの、他の案件については同省がまとめた内容を了承することで意見が一致した。 経済産業省と環境省とは今年秋に容器包装リサイクル法の見直しに関する最終結論をまとめることにしており、ついては広く学識経験者から意見を求める必要があると判断して産業構造審議会と中央環境審議会の専門部会にそれぞれ審議を委ねてきたが、その審議も産構審ではいよいよ最終段階を迎えたといえる。一方の環境省も13日に中央環境審議会の廃棄物・リサイクル部会を開き、論議の煮詰めに入る考え。 この日の論議の焦点は(1)事業者にリデュース・リユースを求める仕組みをどう考えていくか(2)容器包装廃棄物に対しても収集の有料化を推進していくべきかどうか(3)レジ袋の削減に関する取組みをどうするか(4)事業者に新たな役割を負わせるべきかどうか(5)最適な再商品化手法として何を考えていくべきかの5点に絞られた。 (1)の項目に関しては、「容器包装を大量に利用する事業者が自主的あるいは法律に基づいて容器包装を削減するよう促すべき」との意見や、「削減目標を設定しての削減を事業者に促していくべきと」強く主張する向きもあったものの、最終的には“事業者に取組みの報告や公表まで求めると過大な負担を負わせるなどの問題もあるので、事業者に自主的な削減を促す具体的な方策を引き続き検討する必要がある”との見解を結論とすることに議論が落ち着いた。 (2)のテーマについても、「明確に推進すべきと結論してよいかどうか疑問」との発言も一部にあったものの、“排出量削減を促す観点と異物の混入増加を回避する観点から有料化を推進すべきとするのが妥当”との意見が大勢を占めた。 (3)の課題に関しては、「早急に有料化を義務付ける必要がある」と発言するチェーンストア業界委員もみられたが、多くの委員は“有料化などを通じて削減する方策について検討を行うべきというのがこれまでの大方の委員の見解”と説明する事務局の説明を了承した。 しかし(4)のテーマでは、これまでの会合と同様に自治体代表の委員が「分別収集コストが増えているので事業者がその分を負担すべき」と強調したのに対して産業界代表の委員の多くが「産業界はすでに軽量化や減量化で懸命の努力を重ねて大きな成果を上げており、また再商品化でかなりの金額を負担しているので容認できない」と反論、また消費者運動家の中からも「自治体のコストの内容が明確でないし、事業者に負担を負わせることでどんな効果が生まれるかのはっきりした根拠もない」との声が上がるなどで自治体側の主張が同WGの正式見解として取り上げられるには至らなかった。 (5)のテーマに関しては、「マテリアルリサイクルの残渣の有効利用が重要との意見があるが、それにも増して大切なのはエネルギー回収だと言えるので、ぜひその点も最終結論の一つに加えるべき」との発言があり、事務局でも理解を示した。 |