2005年06月10日 |
フェノールの需給、再びアジア全域で逼迫 |
定修の集中に新日化の操業停止が重なる |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外) 【関連企業・団体】:なし |
三井化学などフェノール(PH)メーカー筋によると、PHのアジア地域の需給バランスが再び逼迫しはじめた。シンガポールや日本、さらにはアジアの需給を大きく左右する欧州のPHメーカーの間でも大型PH設備が定修のために相次いで運休し始めたことによるもの。しかも、6月末には新日鉄化学が年産12万トン設備の操業を停止することが決まっており、また中国の需要が回復してきたこともあって早期に逼迫が緩和される可能性は極めて低いというのが現在のPH各社に共通した見方となっている。 現在定修を実施中のPHメーカーは、韓・錦湖(年産27万トン設備)、伊・ポリメリ(同30万トンと17万5,000トン)、独・DOMO(同13万トン)、三井フェノール・シンガポール(同25万トン)、三菱化学(同25万トン)、中国・高橋石化(同7万5,000トン)--の各社。加えて今月21日には、先に千葉工場の同19万トン設備の短期のクリーニング・シャットダウンを実施した三井化学が千葉に続いて大阪工場の同20万トンプラントの33日間定修に入り、そして月末にはいよいよ新日化が操業を打ち切る予定にある。 このためわが国のPH各社は、中国で再び極端な買い控えが始まらないかぎり当分のアジア地域の需給はタイトバランスで推移すると予想している。そして、8月から9月にかけては秋の定修ラッシュが各地で始まるので結局は年末まで需給ギャップに悩まされる心配はないと判断している。 |