2005年06月13日
ソーダ工業会 04年の需給概要「中国・原料塩輸入国に」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本ソーダ工業会

 ソーダ工業会は10日、04年度の事業環境は極めて良好だったとする、同年度の需給概要を発表した。「か性ソーダの生産、需要は過去最高となり、めずらしく塩素ともウエルバランスになった」としている。ただ、原料塩の手当てについては、これまで輸出国だった中国が輸出に転じ「今後の状況次第では環太平洋地域の需給バランスが大きく崩れる恐れがでてきた」と警戒している。発表要旨は以下の通り。会員会社28社、35工場(うち電解メーカー27社、33工場)

<製品別需給状況>
◇か性ソーダ生産量:453万9,800トン(前年度比3.7%増)=過去最高
◇内需:379万5,000トン(2.5%増)=過去2番目
◇輸出:75万3,700トン(14.9%増)=過去最高
◇塩素の国内総需要量:479万700トン(0.1%増)、
◇輸入塩素量:15万6,000トン(30.9%減)
◇国産塩素需要量:463万7,000トン(1.7%増)
◇インバランス量:92万6,300トン(1.6%減)

 か性ソーダの内需は、主力の化学工業向けを中心に増加し、輸出はオーストラリア向けが引き続き好調だった。塩素は紙・パルプ、溶剤向けは減少したが、主力の塩ビ原料やウレタン原料向けが引き続き好調だった。輸入を含む塩素の総需要量は479万1000トン(0.1%増)となった。輸入塩素誘導品は、塩素換算15万6,000トンで前年比31%減と大幅減少した。とくにEDCの輸入は塩素換算11万9,000トンと、前年の67%にとどまった。

<原料塩とエネルギー> 
 か性ソーダの好調な生産から原料塩の需要も増加し、ソーダ用677万8,000トン(3.1%増)、ソーダ灰用54万2,000トン(1.1%増)、合わせて732万トン(2.8%増)となった。輸入量は751万7,000トン(7.2%増)と、4年ぶりに750万トンを上回った。

 輸入先(塩種)は、メキシコ塩354万8,000トン(15%増)で全体の47.2%、オーストラリア塩344万8,000トン(5.8%増)で同45.9%、中国塩とインド塩が52万1,000トン(22.1%減)だった。

 中国塩は、天候悪化による減産に中国国内の経済発展による需要増加が重なり、輸出余力が極端に減少した。04年度は輸入国に転じ、今後もこの状況は続くのではないかと見られる。今後の中国の原料塩の需給動向次第では、環太平洋地域の需給バランスが大きく崩れることも予想され、注視する必要がある。

 04年度のソーダ用電力消費量は111.3億KWH(3.4%増)だった。買電38.2億KWH(9.3%増)、自家発73.1億KWH(0.6%増)。買電と自家発電の比率は34.4:65.6で、自家発比率は01年度の70.2%をピークに2年連続低下した。

【関連ファイル】
実績推移
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1118634900.tif