2001年10月01日
汎用樹脂の8月の中国向け輸出、PPとPVCが大幅増
LDPEとPSは逆に前年を大きく割り込む
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の8月の中国向け輸出(香港向けを含む、以下同)通関数量は、PPとPVCが前年同月を大きく上回った。特にPPのコポリマーの伸びの大きさが目立つ。しかしLDPEとPSは逆に前年同月を大幅に割り込んでいる。HDPEはわずかの減少にとどまっている。
 
 これに伴う今年1~8月の累計も、8月同様にPPが前年の実績を大きく上回っている。PVCも着実な伸びとなっている。反面、LDPEは大幅減となり、PSもLDPEほどではないものの前年割れとなっている。HDPEは微減を継続いている。
 
 中国による汎用樹脂の輸入は今年に入っても一段と活発で、同国の輸入通関数量は毎月、前年を大きく上回っている。しかし、輸出国別の構成比はこの1~2年に大きな変化を遂げてきている。かつては、日本品と韓国品が全体の7~8割を占める時代もあったが、最近ではサウジアラビアやタイ、シンガポールなどのニューエントリーが勢力を大きく拡大してきており、相対的に日本のシェアは低下を続けている状況にある。
 LDPEやHDPEの減少はその典型と言える。これには中国側が提示する価格が低すぎて日本のメーカーの多くが対応できなくなっていることが少なからず作用している。反面PPの成長は、機能性が依然として高く評価されているためと見られる。
 
 各樹脂の8月ならびに1~8月計の対中国向け輸出通関数量は以下の通り。かっこ内は前年比。
 
 《8月の実績》
 ▽LDPE = 14,187トン( 74.8%)
 ▽HDPE = 14,499トン( 97.5%)
 ▽PP-H = 11,214トン(111.5%)
 ▽PP-C =  5,356トン(161.7%)
 ▽PP計  = 16,570トン(123.9%)
 ▽PS   = 13,824トン( 75.2%)
 ▽PVC-H= 64,670トン(112.6%)
 
 《1~8月計》
 ▽LDPE = 98,854トン( 84.9%)
 ▽HDPE = 92,101トン( 98.0%)
 ▽PP-H =102,729トン(109.7%)
 ▽PP-C = 31,242トン(120.5%)
 ▽PP計  =133,971トン(112.1%)
 ▽PS   =107,142トン( 91.7%)
 ▽PVC-H=415,059トン(105.5%)