2005年06月14日
アジア地域のエチレン相場が小反発
大手商社や石化企業は底を打ったと判断
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにエチレンセンター筋の調べによると、アジア地域におけるエチレンのスポット相場が先週後半以降各地で反発してきた。大手商社やエチレンセンターの中には、化成品や合成樹脂に続いてエチレンのスポット相場も底を打ったと分析する向きが多い。
 
 先週半ばから週末にかけて決まった45日先物の価格は、極東向けの高値がCFRトン当たり650ドル、東南アジア向けが同690ドルとなった模様。今年に入ってのピークの2月下旬に比較するとまだ480ドル下回っているが、1週間前の契約価格に比べると20〜30ドル高くなっている。
 商社や石化企業の多くは、こうした変化をもたらた要因として(1)中国をはじめとしたアジア市場における誘導品の市況が過剰在庫の整理によって回復してきたこと(2)ナフサの価格がしばらく高どまりするとの見方が市場に広まってきたこと(3)アジア地域全域におけるエチレンの需給バランスが7月以降再び引き締まるとの観測が誘導品業界とトレーダの間に強まってきたこと--等を挙げている。
 ただし関係筋の多くは、メキシコやアルゼンチンからエタンベースのエチレンが7〜8月にアジア地域に入ってくる見通しにある等の弱材料もあって、エチレン相場が今後一気に急上昇していくことにはならないとの見方を取っている。
 
 なおプロピレンのスポット相場は、極東向けが小反発して同800ドルとなっている反面、東南アジア向けは引き続き軟化して780ドル前後に下がっている。東南アジア向けが下降しているのは米国品が入ってきはじめたためと分析する向きが多い。