2005年06月15日
PVCの5月の出荷、4月に続いての前年同月超え
VCMは2けた増で在庫が大幅に縮小
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会(VEC)が15日に集計したところによると、塩ビ樹脂(PVC)の5月の生産・出荷実績は、生産が17万2,263トン、出荷が16万1,911トンで、いずれも前年同月の実績を上回った。生産は9.0%増で、今年に入って初めての前年同月超えとなった。出荷は4.2%増で2ヶ月連続の前年同月超えである。
 
 ただし、出荷のうち国内向けは10万2,353トンで前年同月を3.9%下回っている。今年に入ってから5ヶ月連続の前年同月割れである。消費量が最も多い硬質用が6.0%減と引き続き不振であったのが響いている。もっとも、同樹脂メーカーの間には「パイプなど建築関連製品の市中在庫が順調に捌けているようなので、6月の出荷は前年を上回る見通し」(宮島正紀・信越化学取締役塩ビ事業本部長ら)と5月が底との見方を取る向きが多い。

 一方の輸出は5万9,558トンで前年同月を21.9%上回った。4ヶ月連続の前年同月超えである。「先高観の広がりによって、最大消費国の中国からの引き合いと注文が一段と増えてきた」(日野清司・大洋塩ビ社長ら)のが最大の要因と見られる。輸出価格も7月から上昇に転じる公算が強い。
  
 塩ビモノマー(VCM)も、5月は生産と出荷の両方が前年同月を上回った。生産は22万4,370トンで10.5%増、出荷は22万9,979トンで11.5%増となっている。
 出荷の増加は、国内向けが8.5%増えて今年に入って初めての前年同月超えとなったのに加え、輸出が4月に続いて好調で23.5%もの伸びを遂げたことによる。
 この結果、月末在庫は前年同月を17.2%、前月を21.0%下回る4万9,452トンに縮小した。

ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1118807448.xls

○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1118807448.xls