2005年06月16日
三菱化学、中国寧波のPTA建設開始
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:三菱化学

(上海発=特約)
 三菱化学主導の寧波三菱化学有限公司は8日、浙江省寧波市大シャ島での高純度テレフタル酸60万トンプラントの建設を開始した。寧波三菱化学有限公司は日本側投資会社・寧波PTA投資が90%、中国中信集団(CITIC)が10%のJVで、寧波PTA投資には三菱化学が 61%、伊藤忠商事が 35%、三菱商事が 4%を出資している。

 同社は第1次事業計画申請書の批准を2003年6月に受けており、2004年央にも最終承認を受ける予定であったが、承認手続きが遅延し、ようやく本年2月1日に最終事業家計画書の認可を受けた。最終承認は遅れたものの、三菱化学では当初予定通り2006年9月までにスタートできるとしている。

 中国の最新統計では、中国のPTA輸入は、ポリエステルの好況を受けて増加しており、2004年は572万トンと前年を大きく上回っている。輸入量は03年が455万トン、02年が430万トン、01年が310万トンだった。

 しかし中国ではPTAの増設計画が目白押しで、2004年末の能力600万トンに対して、明らかになっている2007年までの増強計画を合計すると1,240万トンで、合計能力は1,840万トンに達する。(下記資料参照)

 このすべてが実現するとは思えないが、2007年頃には国産能力は著しく増大し、欧米との繊維輸出規制問題の帰趨等、今後の需要の動向にもよるが、業界筋では輸入量が100万トン程度に減ると見ており(需要によっては輸入は不要となる可能性もある)、アジアのPTA需給をめぐっては今後激変する可能性が強い。

(Chemnet Tokyo:注)
 2005/5のMETI 「世界の石油化学製品需給動向」 では2007年の中国のPTAの需給を
   能力 12,296千トン(発表された計画ベース)
   生産  9,837千トン
   需要 12,527千トン とみている。 

 一方、現地記者からの報告では2007年について
   能力 18,400千トン
   生産 14,000千トン
   需要 15,300千トン となっており、需要予想にも差がある。  

【関連ファイル】
中国 PTA増設計画
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1118967108.xls