2005年06月17日
宇部・荏原の廃プラ・ケミカルリサイクル技術「愛・地球賞」受賞
【カテゴリー】:新製品/新技術(環境/安全)
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産、荏原製作所の両社は17日、両社が共同開発し、事業化中の「加圧二段ガス化システムによるケミカルリサイクル技術」が日本国際博覧会協会から「愛・地球賞-Global 100 Eco-Tech Awards」を受賞したと発表した。

 同賞は、愛知万博のテ-マ「自然の叡智」に基づき、世界中で持続可能な社会の実現に貢献している地球環境技術に贈られるもので、受賞者は同技術を含めて100件。表彰式は9月1日名古屋市内で開催される。

 受賞した加圧二段ガス化システムは、廃プラスチックを分別せず、加圧状態で運転される低温ガス化炉及び高温ガス化炉から構成される二段ガス化炉に投入し、酸素及び蒸気で熱分解及び部分酸化することによって、炭化水素をほとんど含まない水素・一酸化炭素主体のガスに改質する「画期的」とされているシステム。

 改質されたガスは、アンモニア等の化学工業原料、その他燃料電池やDME(ジメチルエーテル)などクリーンエネルギーにも利用できる。無機物や金属類については、前者は水砕スラグとして回収しセメント等建設資材原料に、後者は還元状態で回収されスクラップとして利用でき、最終処分場の負荷低減になる。

 一方、廃プラに含まれるダイオキシン類は高温ガス化炉で1300℃以上の高温で熱分解し、さらに瞬時に200℃以下に冷却するため合成・再合成の懸念がない。改質されたガスを化学原料等に利用することで、化石原料削減(CO2 の排出を軽減)効果も高い。

 宇部興産と荏原製作所はイーユーピー社(山口県宇部市)を共同で設立。現在同社が廃プラスチックを原料として引き取り、加圧二段ガス化システムでガス化して、宇部アンモニア工業に、アンモニアの原料ガスとして販売している。

( 参考:加圧二段ガス化システム)
http://www.ube-ind.co.jp/japanese/hb/shohin/m_1110.htm

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1118982910.pdf