2005年06月20日
アジア全域でオレフィン価格が急騰
誘導品の需要回復やタイの水不足等が作用
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにエチレンセンター筋の調べによると、アジア地域におけるオレフィンのスポット相場が各地で急上昇してきた。
 
 先週末におけるエチレンの45日先物の価格は、極東の高値がCFRトン当たり700ドル、東南アジアの高値が750ドルとなっている。1週間前に比べると極東では40〜50ドル、東南アジアでは60ドル上がったことになる。
 2週連続の上昇で、5月中旬のレベルまで戻っている。これには、中国をはじめとしたアジア全域におけるエチレンの需要が誘導品在庫の縮小に伴って急速に回復してきた中で、ROCなどタイのエチレンプラントが水不足の長期化によって操短に追い込まれつつあることが大きく作用していると見られている。ただし、今年のピークの2月末〜3月初旬に比較するとなお450ドル前後低い。
 
 一方のプロピレンも反騰に転じている。同じ45日先物の先週末における極東の高値は870ドル、東南アジアの高値は800ドルとなっている。極東は1週間前の70ドル高で、2週連続の上昇。片や東南アジアは20ドル高なので、アップ率は低い。しかし9週間振りの反騰となっている点が注目される。
 
 プロピレンの価格の回復には、誘導品在庫の整理の進展に伴う需要の回復とタイの水不足による今後のオレフィン供給に対する不安観の広がりに加え、韓国と台湾におけるFCC装置の相次ぐ定修・運休によって全体に逼迫感が強まってきたことも大きく作用している模様。ただし、今年のピークの4月中〜下旬に比べると極東は200ドル、東南アジアは300ドルの開きがある。
 大手商社やエチレンセンターでは、今後もなおアジア地域ではオレフィンのスポット相場は強含みで推移するのが確実と予想している。