2005年06月22日
産業系廃プラの再資源化率が大幅に向上
プラ協が排出・処理処分動向の調査結果まとむ
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、実績/統計)
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は22日、同協会が平成16年度に実施した産業系廃プラスチックの平成15年度における発生・排出・処理処分状況に関する調査(アンケート調査)の結果の概要を発表した。
 
 同調査は、化学工業、プラスチック製品製造業、ゴム製品製造業、電気機械器具製造業、輸送用機械器具製造業、パルプ・紙・紙加工品製造業の計6業種合計318事業所を対象に、産業系廃プラスチックの種類別の発生量、発生状況、分別状況、再資源化または処分状況、処理処分費用--などの実態を詳しく調べたもの。平成11年度に10年度の実態を調べたのに続く2度目の調査であった。
 
 この結果について同協会では、「5年前に比べて(1)排出量の抑制(2)再資源化率の向上(3)埋め立て処分の削減--の3点で大きく前進していることが判明した」とコメント、具体例として「合計6業種の再資源化率が5年前の44〜64%から66〜84%にアップし、埋め立て量が半分以下になっていること」などを紹介、そして「その要因の一つには特にサーマルリサイクルが大きく伸びたことが挙げられる」と指摘して、手法面でもリサイクルが確実に進展している点を強調した。
 
 調査結果の概要は以下の通り。
 (1)排出の抑制
 全体で10%減少している。うち化学工業では13%、プラスチック製品製造業では23%減っている。有価売却量が増えたことが大きいと見られる。電気機械器具製造業と輸送用機械器具製造業でもそれぞれ21%と28%減となっている。
 (2)再資源化
 マテリアルリサイクル(MR)とサーマルリサイクル(TR)が大きく進展、その結果平成10年度で44〜64%の範囲内であった再資源化率は66〜84%範囲内まで上がった。化学工業や電気機械器具製造業では80%以上の高率となっている。リサイクルの手法は、化学工業とプラスチック製品製造業ではMRが40〜50%、TRが20〜30%だが、電気機械器具、輸送用機械器具、パルプ・紙・紙加工製造業ではMRが15〜25%、TRが35〜50%となっている。
 (3)TRの拡大
 6業種全体にTRが大きく伸びている。他の樹脂との混合、他の素材との複合、その他廃棄物との混合などでは特にTRの比率が上がっている。その中では、発電利用とセメント・原燃料の伸びが目立つ。
 (4)処分量の大幅な減少
 焼却や埋め立てで処理される量は全体の10〜20%まで下がっている。うち埋め立て率は10年度の11〜45%範囲内から4〜13%範囲内に縮小している。
 (5)処理処分費用
 分別の進歩で同プラスチックの売却比率は上がっていて、化学工業やプラスチック製品製造業では59%に達している。しかし、委託処理単価はおおむね高くなっている。MRはキロ36円、TRは41円、CRは47円で、5年前に比べて3〜9円上がっている。