2005年06月22日
旭化成ケミ、SMの対中輸出価格の引き上げへ
期近ものをトン1,100ドルでオファー
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは、このほど中国のSM(スチレンモノマー)の需要家ならびにトレーダ各社に対して7月中旬船積み分のSMのスポットもののCFR価格をトン当たり1,100ドルに引き上げたいと通告した。
 
 先週のスポット相場は980〜990ドルで、その前の週に比べると40ドル安となったが、原料のベンゼンのスポット価格が再上昇してきたため再度底上げを図る。
 同社によると、中国のSMの需要は6月第2週当たりから順調に回復しつつある。以前から好調であったABSに加えてEPSの需要が建材向けやクリスマス商品の梱包向け等に活発となり、またPSの需要も家電向けを中心としたPS加工メーカーの稼働率が上向いてきたため拡大に転じているという。
 一方の供給能力は、中国・SECCOが50万トンのSM設備を立ち上げたものの大口サプライヤーの日本と韓国のSMメーカーの間で定修と需給均衡を目指しての生産調整が相次いだため差し引きで縮小しており、現在のバランスは完全に均衡状態を取り戻していると見られている。
 
 中国の需要家やトレーダもこうした環境の変化を敏感に感じ取っており、1,050ドルなら手を打つ意思があることを表明するところが多いという。しかし旭化成ケミカルズでは、最近のBZの再騰ぶりから判断して1,100ドルは譲れないレベルだとして突っぱねている。