2005年06月24日 |
アジアのポリオレフィン相場が続伸 |
市場に一段とタイト感と先高観が広がる |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況) 【関連企業・団体】:なし |
大手商社筋によると、今週に入ってアジア地域全体でポリオレフィンのスポット相場が一段と上昇してきた。高圧法低密度ポリエチレン(HP-LDPE)こそ上げ幅がまだ小さいものの、他の樹脂は東南アジアでも極東でも大幅の上昇となっている。各商社とも、アジア地域のポリオレフィンの相場は市場環境によほどの変化がない限り今後も全樹脂が引き続き強含みで推移すると予想している。 今週に入ってからのポリオレフィン各樹脂のアジア地域における成約価格(7月上・中旬船積みのトン当たりのCFR価格)は、L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)が東南アジアで990〜1,020ドル、極東で990〜1,000ドル、HDPE(高密度ポリエチレン)が東南アジアで980〜1,010ドル、極東で980〜990ドル、PP(ポリプロピレン)ホモポリマーが東南アジアで1,030〜1,040ドル、HP-LDPEが東南アジアでも極東でもともに1,000〜1,020ドル--といったところ。 1週間前に比べると、HP-LDPEは20ドル前後の上昇にとどまっているが、他の3樹脂はおおむね70ドルのアップとなっている。6月初旬船積み分に比較すると、HP-LDPEが50〜60ドル、他の3樹脂がおよそ100ドル高い。5月第4周を底に回復がかなりのテンポで進んできているといえる。 各商社ともこの要因については、(1)最大の消費国である中国の需要家とトレーダが在庫の縮小と先高観の広がりを背景に積極的に玉の手当てに動き始めたこと(2)タイの樹脂メーカーの生産・出荷数量が渇水の影響で極端に減り始めたこと(3)欧米からの流入が止まり始めたこと(4)アジア市場全体に原油と石化原料の価格の先高観が強まってきたこと--の4点を挙げている。また、中国における農ポリの需要期入り、同じく中国とインドにおける洪水の頻発によるPPならびにHDPE製土のうの需要の急拡大なども少なからず作用していると指摘する向きもある。 HP-LDPEの上げ幅が比較的小さいのは、揚子江/BASFのHP-LDPEとEVAの合計年産40万トンプラントが稼動を開始したためと見られている。しかし、中国の加工企業の在庫レベルは長期にわたる買い控えで適正規模を割り込んでいるので、今後は他の3樹脂を後追いするかたちで上がっていくと予想する向きが多い。 |