2001年09月30日
BASFが発表「中国の8大生産拠点いずれも順調」
南京石化コンビナート起工、2004年末完成へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:BASF

 BASFジャパンは28日、中国で展開している8つの世界規模プロジェクトがいずれも順調に進んでいると発表した。このうち南京で計画している石化計画は整地作業が進み、同日起工式が行われた。04年末から05年初め完成の予定だとしている。8つの事業内容と計画の概要は以下の通り。

[BASFーYPC]
 中国石油化工総公司(SINPOEC)との50対50の合弁会社で2000年12月設立。石化の大型統合拠点「フェアブント」と位置づけている。揚子220ヘクタールの用地に石化コンビナートを建設。エチレン年産60万トンを中核として芳香族抽出30万トン、LDPE(低密度ポリエチレン)40万トン、エチレングリコール30万トン、アクリル酸16万トン、アクリル酸エステル21万5,000トン、オキソアルコール25万トン、蟻(ギ)酸5万トン、プロピオン酸3万トン、メチルアミン3万トン、ジメチルホルムアミド3万トンの各工場を総額26億ドルで建設する。すでに1月から用地整備と設計作業に着手しており、完成は04年末~05年初の予定。

[揚子-BASFスタイレニックス]
 1994年、南京に揚子石油化工有限と合弁で設立。BASFは株式の80%を取得。97年からエチルベンゼン、スチレン、ポリスチレンの生産を開始、99年春には発泡スチレン(ステロポール)の工場も操業を開始、パッケージングや電・電子機器、家庭製品向けなどとして供給している。

[上海高橋ーBASFディスパージョンズ]
 1988年、上海高橋石化公司と折半出で設立。紙コーティング用やカーペット用のスチレン・ブタジエン・ディスパージョンを生産中。2000年、生産能力を年5万トンから11万トンに拡大した。
 
[BASFーJCICネオペンチルグリコール]
 中国北東部の吉林省に吉林化学公司との合弁で1995年に設立。BASFの出資比率60%、98年5月から年産1万5,000トンのネオペンチルグリコールを生産。溶剤を使わない合成樹脂パウダー生産用に使用されている。
 
[BASFビタミンズ]
 中国北東部瀋陽でビタミンおよぴビタミン・ブレンドの生産を行っている。1995年、ノースイーストジェネラル・ファーマスーテイカル・ファクトリーとの合弁で設立したが、BASFは出資比率を70%から98%に引き上げ、現社名に変更した。
 
[BASF上海コーティングズ]
 BASF60%、上海コーティングズ40%の合弁企業で1997年から電着塗装、クリアコート、プラスチックコートなどの塗料、コーティング剤を生産。中国内の主要自動車メーカーに対するOEM(新車用)塗料サプライヤーともなっている。

[BASF華源(ファユアン)ナイロン]
 1997年、上海ワールドベストと合弁でナイロン6をベースとしたカーペット繊維生産のため設立。99年夏、青浦に年産7,000トン工場が完成し操業中。2000年にはBASFの出資比率を70%から90%に引き上げた。

[BASFヘッドウェイ・ポリウレタン]
 1997年、ヘッドウェイグループと広東省南沙におけるポリウレタン・システムハウスの契約に調印。BASFの出資比率は70%。工場は99年に操業開始、年産1万トン以上の生産能力をもっている。2001年半ばには自動車やトラックのサスペンションシステムに使用されるスプリング部品の新規生産ラインも稼動に入っている。