2005年07月01日
三井化学、PHの輸出価格を引き上げへ
7月積み分、トン1,150〜1,200ドル目指す
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 フェノール(PH)大手の三井化学はPHの7月船積み分の輸出価格を6月比でトン当たり100ドル底上げする方針を固め、中国を始めとした需要家に対する通告と交渉を開始した。
 
 同社の6月積みのトン当たりのCFR価格は960〜1,000ドルであったが、7月分は1,050〜1,200ドルに引き上げる。これは、原料ベンゼン(BZ)の価格が極東でも欧米でも軒並み上昇してきたことによって6月の価格では採算を確保できなくなってきたため。
 BZの7月の価格については、新日本石油化学が6月比215ドル高の860ドルに引き上げることにして三井化学や旭化成ケミカルズなど需要家各社を説得、加えて、韓国や欧米のBZメーカーも一斉にわが国向けなど各国向けの価格の引き上げを表明してきたため全体が6月を大きく上回るのが避けられない状況にある。
 さらに週明けには、米国のコントラクト価格(US/CP)もガロン当たり295セントもしくは300セントに引き上げられるのが確実視されている。6月の価格に対して65〜70セント高となる見通しなわけで、これによってBZの国際価格は再びトン当たり900ドル前後のレベルに後戻りすることになると見られる。
 三井化学は、週明けのUS/CPの決着にタイミングを合わせて各地の需要家と本格的な交渉を開始する考え。