2005年07月04日
分別収集PETボトルの引き渡し減少が続く
5月も前年の実績を4.5%下回る
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 地方自治体から日本容器包装リサイクル協会への分別収集PETボトルの引渡し数量が5月も前年同月の実績を下回ったことが明らかになった。

 日本容器包装リサイクル協会の集計によると、同協会が容器包装リサイクル法に基づいて全国の市町村から5月中に引き取った分別収集PETボトルの数量は1万4,668トンで、前年同月の実績を4.5%下回った。今年度に入って2ヶ月連続の前年同月割れとなったわけで、2ヶ月間トータルの対前年同期間比は8.2%減となっている。
 分別収集PETボトルの市町村から同協会への引渡し数量は、容器包装リサイクル法の施行対象となった平成12年度いらい毎月前年の実績を大きく上回ってきていた。それが昨年秋頃から伸び悩み状態に陥り、そして今年2月にはついに前年同月を割り込む事態となって、その後の動向が同協会やリサイクル事業者から警戒されていた。
 
 市町村から同協会への引渡し量が減少してきた最大の要因は、中国へ使用済みPETボトルを売りさばく特定業者に分別種集PETボトルを積極的に販売する自治体が増えてきたことにあると見られている。環境省では、こうした傾向に拍車がかかると国内で同ボトルをリサイクルしている多くの事業者が操業を維持できなくなる恐れがあると判断して、不適正輸出を防止するための通知を出している。しかしこれまでのところその効果が十分に現われているとは言えない状況にあり、このため最大のリサイクル事業者である帝人ファイバーは7月中に在庫が底をついて操業を停止せざるを得なくなる見通しにある。
 日本容器包装リサイクル協会では、今年度の引き取り総数量が前年度の実績を7.8%下回って17万6,843トンになると予想している。しかし、それを下回るようなことが起きると帝人ファイバーの他にも大型装置の運休に追い込まれるところがいくつか出てきて容器包装リサイクル法の運用事態に大きな支障が生じることになりかねない。
 
 なお、5月における分別収集PETボトルの再商品化(リサイクル)数量は1万4,466トンで、前年同月の実績を27.1%上回った。4月との合計は2万5,626トンで、前年同期の25.3%増となっている。