2005年07月04日
東ソー、中国向けVCMの価格を50〜60ドルアップ
7月分、560〜570ドルへの引き上げで需要家と合意
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーはかねて中国の大手VCMユーザーとの間でVCMの7月の輸出価格交渉を進めていたが、トン当たりCFR560〜570ドルとすることで先週末に需要家各社と合意した。同社の希望価格がほぼ認められた。6月の価格に比べるを50〜60ドル高い。カネカ、旭硝子なども同じ内容で各ユーザーの同意を得た模様。
 
 VCMの今年に入ってからの対中輸出価格は、1月の690〜700ドルをボトムに2月には730〜750ドル、そして3月には740〜750ドルへと2ヶ月連続して上昇したが、4月は3月と同じレベルにとどまり、続く5月には600ドルへと再下降、さらに6月分は510ドル前後まで下がってきていた。
 それが今回の交渉では日本側各社のオファー価格がほぼ受け入れられ、3ヶ月振りの反騰が実現することになった。これには、同国のPVCメーカーの在庫調整がほぼ完了の段階にきたことと需要が例年のクリスマス商品の生産シーズン入りもあって活発になってきたこととが重なって需給バランスが引き締まってきたことが大きく作用したのではないかと見られている。
 今回のVCMの値上げは、大洋塩ビなどによるPVCの7月分の輸出価格の引き上げ成功に続くもの。大洋塩ビでは続く8月分も値上げしたい考えであり、東ソーも同様にVCMの輸出価格の再引き上げに取り組む構え。