2005年07月06日
中国の主要化成品輸入、5月は前年比に大きな差異
ANとPHは大幅増、SMやVCM等は大幅減に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 中国による主要化成品の5月の輸入通関数量は、品目によって前年同月比にこれまでにない大きな差異が生じるかたちとなった。AN(アクリロニトリル)とPH(フェノール)は前年同月を大きく上回ったが、VCM、SM、PTAの3品目は逆に大幅な前年割れとなっている。
 
 ANとPHの輸入の増加は、在庫調整の終了に伴うものと見られている。一方、VCMの大幅減には現地のアセチレンカーバイド法設備の稼動率の大幅アップが、またSMの減少には上海・SECCOの年産50万トン設備の本稼動入りが、さらにPTAの縮小には同国の引き合い価格の大幅な引き下げに対する韓国と日本の成約削減がそれぞれ大きく作用した模様。
 
 うち日本品は、ANとPHが大きく伸びた反面、VCM、PT、SMの3品目が大幅な減少となっている。
 
 全体の1〜5月の累計は、PTAとANが前年同期を若干上回っているが、VCM、PH、SMの3品目は引き続き前年同期を下回っている。うち日本品は、PHを除いて全て前年を下回っている。
 
 主要5品目の中国の5月の輸入通関数量は別表の通り。単位はトン。


中国の主要化成品の5月の輸入
品目 5月 前年比 日本品 前年比 1〜5月計 前年比 日本品 前年比
PTA 375,771 86.2% 27,088 71.1% 2,488,220 105.8% 237,154 83.1%
SM 165,929 75.2% 67,538 85.9% 1,162,664 92.9% 420,097 89.4%
VCM 37,371 48.7% 26,910 59.6% 374,585 89.3% 263,423 96.1%
AN 23,200 162.4% 5,003 166.7% 128,313 102.4% 20,750 82.4%
PH 16,746 180.9% 1,039   122,861 83.6% 9,088 229.4%