2005年07月08日
MEGの中国向け価格が急回復
7月末渡しのスポットは790ドルに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 中国向けのMEGの価格が急速に回復してきた。今月に入ってわが国のMEGメーカーの多くが中国のポリエステル重合企業やトレーダー筋と契約した7月末から8月初旬渡し分のスポットものの価格はCFRトン当たり790ドル前後となっている。

 1か月前の契約価格に比べると80ドルがらみの高値となっている。今年に入ってのボトムとなっている6月中旬に対比すると約130ドル高い。ピークの3月中旬にはなお300ドル強及ばないものの、回復のピッチはかなり早いということができる。

 わが国のMEGメーカーでは、ここに来て急回復をもたらしている最大の要因は、中国国内のポリエステル重合メーカーの多くが再び原料在庫の積み上げに動き始めたため、MEGについても需給逼迫感が市場全体に広がってきたことにあると分析している。
 
 これは、コットンの生産量が当初の予想ほど増えなかったこと、ポリエステル繊維の輸出に対する欧州の政府ガードが先送りとなったこと、ポリエステル繊維の在庫が急速に縮小してきたこと等によって同国のポリエステル繊維メーカーが相次いで稼働率を引き上げ始めたことによるものと見られている。

 わが国のMEGメーカーや大手商社は、中国向けのスポット価格は今後も引き続き上昇傾向をたどると判断している。850ドルまで上がると予想する向きが多い。