2005年07月11日
中国の樹脂輸入、5月は非汎用種も大方が低調
前年超えはPBTとEVAの2品目だけ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 中国による合成樹脂の5月の輸入通関数量は、エンジニアリング樹脂などの非汎用樹脂も汎用樹脂同様に大方が低水準にとどまった。合計7品目のうちで前年同月を上回ったのは、PBT(ポリブチレンテレフタレート)とEVA(エチレン酢ビコポリマー)の2品目だけ。1月〜5月までの累計も同じく前年同期超えはPBTとEVAのみとなっている。ただし、多くの大手商社によると、6月中旬以降はポリオレフィンなど汎用樹脂と同様に引き合いと注文が活発化しているという。
 
 5月の輸入量が前年同月を上回った2品目のうちのPBTは、伸び率が11.3%と高く、1〜5月計でも6.2%増となっている。同樹脂の場合は、今年に入ってからは2月を除いて全て前年同月を上回っており、3月からは3ヶ月連続の前年同月超えとなっている。
 もう一つのEVAも、今年に入ってからの前年同月割れは2月だけで、3月からは同じく3ヶ月連続の前年同月超えとなっている。ただし5月の伸び率は1.3%増と小さい。しかし1〜5月の累計は11.0%増でPBTを大きく上回っている。3月の43.8%増と4月の22.2%増が効いている。
 
 一方、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PMMA(メタクリル樹脂)の3品目は、いずれも4月に今年初の前年同月超えとなったものの、わずか1ヶ月で再び前年割れとなった。残るEPS(発泡スチレンビーズ)とPA(ポリアミド)チップは、ともに今年に入って5ヶ月連続の前年同月割れとなっている。しかも縮小率はEPSで27.1%、PAで43.6%とともに大きい。これらの樹脂の輸入減の要因について商社筋では、国産化の進展によるところが大きいのではないかと分析している。

【関連ファイル】
中国の非汎用樹脂の05年5月輸入数量
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1121044097.xls