2005年07月11日 |
内外のアセチル各社、アジア市況の改善へ |
BP、セラニーズ、昭電等が相次ぎ値上げ表明 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況) 【関連企業・団体】:昭和電工 |
アジア地域のアセチル製品メーカーによる価格是正の動きが活発になってきた。需給バランスのタイト化を背景に原燃料の高騰分を製品価格に転嫁しようとしているもので、BP、セラニーズ、昭和電工などが相次いで値上げを表明し、需要家各社の説得に乗り出している。 酢酸については、BP、セラニーズなど大手を中心に各社が4〜6月期の価格をトン当たり50ドル引き上げる旨を表明してユーザー各社を説得中。これら酢酸メーカーは、ごく最近、今年1〜3月期分の価格を前期より20〜30ドル引き上げてCFR855ドル前後にすることで需要家各社の同意を取り付けるのに成功したばかりのところ。しかし各社ともこのレベルではその後の原燃料の高騰分をカバーできないとして再値上げに踏み切っているもの。酢酸ビニル向けを中心に需要が回復しているので受け入れられる可能性が高い。 その酢酸の有力誘導品の一つである酢酸ビニルの価格については、セラニーズや昭和電工など各社が8月の引き渡し分を50〜100ドル引き上げる考えを相次いで表明している。7月の価格の平均は中国向けが900ドル弱、東南アジア諸国向けが1,000〜1,050ドルとなっているが、このうちの中国向けを100ドル底上げすると同時に東南アジア各国向けを50ドル引き上げるというのが各社の狙い。アジア地域全体の需給バランスが、ポバールの需要の拡大とセラニーズのシンガポールの年産19万トンプラントの定修入りによって8月に一気にタイト化する見通しなので、7月中にユーザーの同意を取り付けたい考え。 酢酸エチルに関しては、セラニーズと昭和電工が相次いで値上げの計画を打ち出して各国の需要家と交渉に入っているところ。6月の価格の平均は東南アジア向けが840ドル、中国向けが830ドルであったが、酢エチメーカーの多くはいずれも7月分を50ドル引き上げたいとしている。台湾や韓国をはじめアジア全域で塗料や樹脂添加剤向けを中心に需要が回復してきつつある点が酢エチ各社に有利に働きそう。 |