2005年07月12日 |
極東のオレフィン価格、さらに上昇 |
CPCのエチレン装置の運休の長期化が影響 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況) 【関連企業・団体】:なし |
大手商社筋の調べによると、アジア地域におけるオレフィンのスポット価格が先週末から今週はじめにかけてさらに上昇してきた。特に極東地域における上昇率が高い。これには、台湾・CPCのエチレンプラントの定修後の立ち上がりの大幅な遅れが新たな加速要因に加わったためではないかと見られている。 わが国の大手商社を中心にアジア地域で取り引きされているオレフィンの直近のスポット価格は、エチレンンの場合でCFRトン当たり900〜910ドル、プロピレンで同950〜1,000ドルの範囲内となっている。1週間前に比べるとエチレンは安値で40ドル、高値で80ドルそれぞれ上がっている。1週間前に突出したレベルの価格で契約が交わされたと伝えられている特定のケースに対しても20ドル前後高い。プロピレンはアップ率がさらに大きく、ほぼ100ドル高となっている。 エチレンもプロピレンも、極東地域の取り引き価格が東南アジア地域を上回っている。これには、主要誘導品全体に対する中国からの引き合いと注文が活発になってきた一方で、6月末に定修を完了して再稼動する予定にあったCPC(中国石油)の年産23万トン能力のエチレン第3号機が立ち上がり時に火災事故を起こして再開が大幅に遅れていることが大きく影響している模様。 火災事態は軽度のものであり、したがってメカニカルには早期稼動再開は十分可能と見られている。しかし林園地域の住民の間で早期再開に反対する声が強いため、今のところ再スタートがいつになるかは明らかでないとされている。 |