2005年07月13日
積水化成品、吸水性PSPを開発し市場開発へ
果物など生鮮食品等の鮮度保持材として育成
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:積水化成品工業

 積水化成品工業は独自の研究によって吸水性発泡スチレンシートの開発に成功し、市場開拓に乗り出した。
 同シートは、同社の主力製品の一つである発泡スチレンシート(PSP)の内部を特殊な手法で連続気泡構造にすることで優れた吸水性能を発揮できるようにしたもの。シートの表面に細かい穴をあけることによって、果物の輸送時ににじみ出る水分や弁当容器の蓋に発生する結露などを迅速に吸収できるようにした。
 
 果物など生鮮食品業界の間では、輸送時に食品からにじみ出る水分によって生じる食品底部の腐食がかねてから大きな悩みとなっている。このため同社では、先ずは各種果物の輸送ケースに内装される鮮度保持用吸水材料として同シートを大きく伸ばしていく考え。同シートに対しては生鮮食品業界の多くが注目、びわの輸送時に発生する腐食被害を事前に防ぐためいち早く同シートの採用に踏み切る大型農産地も現われている。
 
 一方、最近の一般市民の中には持ち帰り丼物や弁当の中身の味と質が蓋に付着した水分(結露)のぼた落ちによって変わってしまう点に強い拒否反応を示す向きも増えているので、丼物や弁当容器の分野にも順次手を広げていきたいとしている。さらにはコースター分野の需要開拓にも力を入れていく構えだ。狙い通り行けば、PSPに新たな需要領域が誕生することになる。