2005年07月14日
三菱レイヨン、MMAの海外投資に意欲
タイか中国で大幅増強を検討
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは、アジア地域におけるMMA製品の需要の拡大に対応してタイもしくは中国で新・増設を実施する方針を固めて具体策の検討を開始した。
 
 モノマーについては、タイMMAカンパニーの年産9万トン能力の設備にもう1基同じ規模の設備を増強したい考え。ただし実施時期については、タイのエチレンセンターの一つのTOCがエチレンプラントを増設してC4留分の増産体制を確立する時期に合わせたいとしている。そのTOCの計画がまだ固まっていないので三菱レイヨンの計画がいつ実現できるかも今のところはっきりしていない。

 一方のポリマーについては、タイもしくは中国のどちらかで成形材料と連続キャストシートの2種類の製品の増産体制を整えたい考え。設備規模は、成形材料で年産4万トン、連続キャストシートで同2万トンとしたい意向。タイで実施すると、既存の設備と合わせたタイでの生産能力は成形材料が同4万8,000トン、シートが同2万8,000トンとなる。中国で実現する場合は、同国での総設備能力が成形材料同8万t、シート同4万トンとなる。ただし、中国で実施する場合の立地は、現在の江蘇省南通ではなく、シェルが石化プラントを建設する広東省恵州となる。早い時期の実現を重視する場合は、中国を選択することになるのではないかと見られる。
 
 三菱レイヨンの現在におけるMMA製品の生産拠点は、国内の大竹と富山の両事業所にタイと中国を合わせた計4箇所となっている。各製品の年産設備能力は、モノマーが大竹21万7,000トンとタイ9万トンの合計30万7,000トン。成形材料が大竹2万トン、富山2万7,500トン、タイ8,000トン、中国4万トンの合計9万5,700トン。シートが大竹1万6,400トン、富山2万4,200トン、タイ8,000トン、中国2万トンとなっている。
 需要は中国とアセアンを中心に順調に拡大しており、このため生産拠点の拡充に当たっては中国とタイに的を絞っていくのが得策と同社では判断している。