2005年07月14日
東レ、シンガポールの淡水化装置に「高ホウ素除去逆浸透膜」初受注
日産能力13.6万トン、環太平洋地域最大規模
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:東レ

 東レは14日、シンガポール・チュアス地区で日産13.6万トン能力の海水淡水化プラントに使用する逆浸透膜を受注し、新開発した「高ホウ素除去性能の逆浸透膜」を納入すると発表した。建設はハイドロケム社、今年夏完成の予定。
 
 同社はこれまでに、海水淡水化用逆浸透膜をサウジアラビア、クウェートなどのペルシャ湾岸に納入してきたほか、シンガポール・セレターにも採用された実績をもっているが、「高ホウ素除去性能」の逆浸透膜受注は初めてとなる。
 
 ふつう海水中には1リットル当たり4〜7ミリグラムと高濃度のホウ素が含まれており、動物体内に摂取されると生殖機能に影響が生じることが知られている。このためWTO(世界保健機構)では、ホウ素の飲料水中の濃度指針値として0.5ミリグラム/リットル以下を提唱しているが、従来の逆浸透膜による処理では1〜3ミリグラムが限界だった。
 
 東レが新開発した逆浸透膜は、生産水中のホウ素濃度を従来の半分に減らし、長期間性能が維持できる耐久性を備えているという。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1121330996.doc