2005年07月19日
昭電、世界初の「垂直磁気記録方式」ハードディスク量産開始
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は19日、世界初となる「垂直磁気記録方式」用ハードディスク(HD)の量産出荷を開始したと発表した。この垂直記録方式により、HDの記録容量は飛躍的に増加する。

 ハードディスクは、既存のパソコン用途だけでなく、PDA等のモバイル機器、DVDレコーダー、携帯音楽プレーヤーなどの新しい用途に向けて需要が急拡大している。これらの用途では音声や動画に対応する大容量化技術が求められていた。同社は、これまで研究開発レベルにあった垂直磁気記録方式の実用化を世界で初めて実現した。

 垂直磁気記録方式とは、現行の面内記録方式では限界に近づきつつある記録容量の大幅な拡大を可能にする技術で、面内記録方式がディスク面に水平に磁気を記録するのに対して、縦方向に記録する。このため、記録密度が大幅に高まる。

 今回量産化を開始したのは、携帯音楽プレーヤー向けに需要が増大する1.89インチサイズのハードディスク(写真)で、1枚当たりの記録容量は、従来の2倍となる40ギガバイト。
 
 同社は、06年3月までにHDの月産能力を305万枚増の1,375万枚に拡大する計画を進めているが、新設ラインは全て垂直磁気記録方式への対応が可能。

 また、同社は世界最小となる0.85インチサイズの超小型ハードディスク(写真)の量産も開始した。携帯電話への搭載など年30%の需要の増加を期待している。今後、開始予定の音楽ネット配信やテレビ番組配信により、携帯電話に対する記録容量のニーズは急速に高まると予想されている。超小型HDはこうした新しいニーズに応えた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/search.php?RCODE=3685