2005年07月19日
PSの1〜6月期の出荷前年の5%減に
1〜2月の不振が響く、2Qは微減
【カテゴリー】:実績/統計(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会は19日、PS(ポリスチレン)の6月と1〜6月期合計の生産・出荷実績を発表した。6月の実績では、出荷が前年同月を16%下回っている点が目を引く。一方、1~6月期の出荷量も前年同期比6%減のマイナス成長となっている。

 同工業会では、6月の国内向け出荷が前年同月を大幅に下回った最大の要因は、圧倒的多数を占める国内向け出荷量が先行需要の発生で大きく膨らんだ前年同月の反動によって14%減となった点にあると分析している。輸出は減少幅がさらに大きく45%となっているが、これは各社が採算重視の限定輸出に徹底していることによるもので、しかも絶対量が小さいので出荷全体におよぼす影響度は低いと説明している。

 また、1〜6月期の出荷が前年を下回った点ついては、1月と2月の国内出荷がそれぞれ前年同月を12%と11%下回ったことによるところが大きいと指摘している。用途分野別では、OPS向けの4%増が注目される。電機・工業向けは、事務機やエアコン向けが他の分野の不振をカバーして前年と同一水準を維持している。

 さる6月24日付けで同工業会の会長に就任し、この日が初会見となった近藤健・PSジャパン社長は、今後の需要について「下期もおおむね上期並みの規模になり、したがって年計では90万トン程度になるのではないか」と慎重な見方を披露した。