2005年07月20日
PVCの出荷、引き続き順調に推移
6月は国内向けも今年初の前年超え
【カテゴリー】:実績/統計(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が20日に集計したところによると、PVC(塩ビポリマー)の6月の総出荷量は17万3,708トンで前年同月を3.0%上回った。これで、同樹脂の月間出荷量は4月以降3ヶ月連続の前年同月超えとなった。
 
 この中では、国内向けが前年を4.3%上回って今年に入って初めて(6ヶ月振り)の前年同月超えとなった点が注目される。これは、かねてから前年超えが続いている電線その他用が6.1%増と好調を維持したのに加えて、最大消費分野の硬質用も6.6%増とプラス成長に転じたことによるもの。硬質用の前年同月超えも今年に入ってからはこの6月が初めて。
 硬質用の出荷増の背景については、「合併・再編した市町村の多くが大型新予算の執行に踏み切ったのに伴ってパイプの需要が特に関西から九州地区にかけて順調に回復してきたことが大きく寄与した」(日野清司・大洋塩ビ社長)と分析する向きが多い。
 一方の輸出は0.1%の伸びにとどまったものの、これで5ヶ月連続の前年同月超えとなった。
 生産量は15万5,755トンで、前年同月を2.9%下回った。この結果、月末在庫は9万7,439トンとなり前月比15.6%減となった。10万トンの大台割れは6ヶ月振り。
 
 この結果、4〜6月期の総出荷量は49万5,577トンとなった。前年同期の実績を2.9%上回っている。国内向けの2.8%減を輸出の16.0%増がカバーしたことによるもので、3・四半期振りの前年同期超えとなった。総生産量は48万6,003トンで前年同期を0.1%下回った。

 他方VCM(塩ビモノマー)の6月の総出荷数量は20万7,083トンで前年を6.3%上回った。3ヶ月連続の前年同月超えである。うち国内向けは0.1%増と小幅の伸びにとどまったが、輸出は引き続き活発で38.9%増となった。生産量は21万6,798トンで17.3%増となっている。
 この結果、4〜6月期の総出荷数量は65万9,571トンで前年同期を6.3%上回った。うち国内向けは1.3%増にとどまったが、輸出は27.1%増となっている。