2005年07月20日

大洋塩ビ、中国向け輸出価格を再引き上げへ

8月分、780〜790ドルを目標に折衝開始

【カテゴリー】：市況（海外、原料/樹脂/化成品） 【関連企業・団体】：大洋塩ビ

大洋塩ビは、PVC（塩ビポリマー）の中国向け輸出価格を7月に続いて8月分も底上げすることにしてこのほど現地の需要家各社と折衝を開始した。 　 　7月の価格は同社の値上げ要求が同国のユーザー各社に受け入れられて、6月比トン30ドル高のCFR730〜750ドルとなったが、8月分についてはそれをさらに40〜50ドル上げて780〜790ドルとする考え。 　同社の中国向けPVCの価格は、今年3月に910〜920ドルをつけたあと下降に転じて6月には700〜720ドルまで下がった。これには、中国のカーバイド・アセチレン法メーカーが相次いで大幅増産に踏み切ったことで需給バランスが一気に崩れて同国内市況が急落したことが大きく作用した。 　しかし最近は、採算割れに陥ったカーバイドメーカーの多くが減産に乗り出しており、また大口サプライヤーの台湾勢がエチレン不足と採算悪化のため大幅な減産と輸出カットに踏み切ったこともあって中国の需要家の間には先行きの供給不安感と先高観が広がってきている。 　同社では、こうした客観情勢の変化を捉えて適正レベルへの再値戻しを図ることにしたもの。最大のコンペティターの台湾・FPCも同じく再値上げに踏み切る構えにあり、比較的早期に再修正が実現するのではないかと見られている。