2005年07月25日
旭化成ケミ、SMの輸出価格を再引き上げへ
8月積み分、CFRトン1,100ドルでオファー
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭ケミカルズはこのほど、中国のSM(スチレンモノマー)ユーザーとトレーダー各社に対してSMの8月の輸出価格(CFR価格)をトン当たり1,100ドルに引き上げたい意向を表明して説得を開始した。現在の価格は1,000ドルを20〜30ドル下回るレベルなので、アップ率は12〜13%ということになる。

 同社は、7月はじめにSMの中国向け価格を100ドル強引き上げていったんは1,100ドル弱まで持っていったが、原料BZ(ベンゼン)のアジアのスポット相場が下降したためその後は1,000ドル割れでの取り引きを余儀なくされている。
 
 そうした中で今回、1,100ドルへの再修正を打ち出したのは、BZのスポット価格が米国でもアジアでも底を打って8月早々にはコントラクト価格ともども上昇に転じる公算が濃厚となってきたのに加えて、中国の需要が例年の秋需季入りに伴って拡大する見通しが出てきたため。
 
 同社では、この春以降中国でも大型SMプラントが稼動しているもののPS向けに順調に自家消費されていることもあって、全体の需給はウエルバランスの状態にあると判断している。したがって、欧米から余剰玉が安値で入ってこない限り新価格が中国の需要家とトレーダーに受け入れられる素地は十分あると見ている。