2005年07月26日
中外製薬、未承認「抗がん剤」承認申請さらに前進
【カテゴリー】:新製品/新技術(ファインケミカル)
【関連企業・団体】:中外製薬

 中外製薬は26日、ロシュ社から導入し国内で臨床開発中の2つの抗がん剤「R435」(海外販売名:「AvastinR」)および「R1415」(同:「TarcevaR」)について、厚生労働省(未承認薬使用問題検討会議)から、その扱いに関する方向性が示されたと概要を発表した。

 厚労省は昨年12月、欧米ですでに承認され、その有効性が確立している国内未承認薬について、確実な治験を実施し制度的に切れ目なく保険診療との併用が可能な体制を確立すると発表、その推進のため、専門家からなる「未承認薬使用問題検討会議」を設け、科学的な評価を行ってきた。

 同社によると、この検討会議では、このほど「R435」について、早期に承認申請がなされ、また、安全性確認試験を実施すべきだとの方向性が示され、中外製薬に対してもその旨の要請が行われた。

 これを受けて同社は今後、当局と「R435」の安全性確認試験実施方法の詳細を相談し、医薬品として患者に迅速に提供できるよう早期承認申請を目指す方針。

 また「R1415」については、安全性への注意が必要であり、進行中の第II 相試験の中で本剤が使用されることが適当で、なお状況を注視していく必要があるとの結論が示されたことから、同社では現在実施している臨床開発をさらに継続していく方針という。