2005年07月26日
中国石化が新たに上海にエチレン100万トン
上海SECCOの90万トンに続いて計画
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱ガス化学

 中国石化(Sinopec)と上海石化、英BP3社の合弁会社、上海賽科石油化工(上海SECCO)の石油化学プロジェクト(エチレン年産90万トン)が今月から上海市の上海化学工業区(奉賢区)で操業を開始したが、Sinopecは引き続き同区にエチレン年産100万トン設備を増設する計画である。
 
 同90万トン設備は現在、中国最大の規模だが、中国全体で石油化学製品の大幅な需要増が見込めるため、生産力の増強をはかることになったもの。
 
 上海SECCOは、Sinopec30%、上海石化20%、BP50%の出資。これに対して次のエチレン100万トン計画では、中国資本100%の新会社による運営をめざしている。政府の発展計画委員会にプロジェクトの承認を申請中で、年内にも認められる見通しにあるといわれる。この計画には石油リファイナリー1,000万トン設備も含まれている。
 
 中国のエチレン設備計画は01年から05年までの第10次5カ年計画として、上海のほか南京、広東(恵州)が認められ、南京はすでに年産70万トンまでの増設を完了している。恵州はことし11月中に年産80万トン設備の新設を終える予定。
 
 中国のエチレン生産はことし800万トンと日本を抜く見通し。これに対し需要は1,500万トンに達すると見込まれ、供給不足が続くとみられている。さらに2010年には、生産能力1,300万トンに対して需要は2,500万トンと、いぜん国内での生産が間に合わないとされている。
 
 上海化学工業区には英BP、独BASF、バイエル、米ハンツマン、独デグサなどが進出し、日本からも三井化学、三菱ガス化学などが参加している。エチレン100万トンプロジェクトでは三菱化学も調査をはじめているもようである。
 
 なお、上海市には上海石化が金山区でエチレン年産65万トン設備を操業しており、上海市は向う数年で一挙に国際石油化学センターを保有することになる。