2001年09月27日
今年のエチレン生産量、大幅減、720万トン止まりか
誘導品需要の不振深刻に
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:石油化学工業協会

 ポリエチレンやポリスチレンなど石油化学製品の需要が冷え込み、石油化学工業協会の8月の生産実績によると、全18品目がそろって前年割れを記録するという“異常現象”を招いている。

 エチレンでみると今年1~8月の生産累計は487万9,000トンで、前年同期比4.1%の減少、しかし上半期1~6月は369万7,000トンで1%減とほぼ横ばいだった。7、8月の2ヶ月間に大きく落ち込んだわけだ。
 
 石化品の中ではポリプロが“健闘”している以外は軒並みに不振、とくに塩ビとポリスチレンの需要の落ち込みが目立っている。

 経産省化学課では先に今年下期(7~12月)のエチレン需要(生産必要量)を363万2,000トン、上期(1~6月)の実績と合わせて2001年の生産量を前年比96.3%の761万3,000トンと予測したが、1~8月の実績がすでに前年比95.9%とこれを下回っているうえ、今後も急速に回復する見通しは立っていない。「このままだと、今年のエチレン生産量は720万トン前後まで落ち込むのではないか」との見方が業界には広がっている。