2002年05月28日
経産省、燃料電池プロジェクトが報告「18年後の電池カー500万台に」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:環境省

 経産省は27日、国交省、環境省との副大臣で構成する「燃料電池プロジェクトチーム」の報告書を発表した。燃料電池は「今後実用化・普及が期待されるわが国の重要技術」と位置づけ、目標として2020年までに燃料電池車500万台、定置用燃料電池1000万kwの導入を図るとしている。
 
 このため05年3月までに関連法の改正や規制緩和などによって、実用化を支援する。各省とも03年度予算要求に反映させ、施策を拡充・強化していく必要があると提言している。
 
 燃料電池と水素エネルギー利用技術は「いまの産業構造、エネルギー需給構造から、われわれの生活様式、社会システムにいたるまで革命的ともいえる根幹からの変更をせまる可能性のある技術」と報告書では述べており、燃料電池車500万台が導入されると、発電容量は、わが国の電気事業者の発電設備と自家発電設備のすべてを合計した発電容量(2000年度末26億kw)を凌ぐものとなる。
 
 マーケット規模は関連産業まで含めると「2020年ごろまでの累計で100兆円に達するとの見方もある」と報告している。
 
 ただ、そのためには戦略的技術開発と実証試験、先進的モデル事業の推進が必要で、産官学の協力や安全性確保のための走行試験、水素供給ステーション、定置用燃料電池の場合は、バイオマスによるメタンガス利用など、総合的な取り組みが不可欠と提言している。