2005年07月29日
中国がポリ乳酸プラスチックを開発
上海の同済大学が工業化試験生産を始める
【カテゴリー】:海外(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:カネボウ、三井化学、三菱ガス化学、ユニチカ

 生分解性プラスチックとして世界的に注目されているトウモロコシを原料とする「ポリ乳酸プラスチック」の生産技術が中国で開発された。上海の同済大学が工業化試験に入っているといわれ、来年中にも本格的な生産が開始される見通しである。
 
 トウモロコシを原料とするプラスチックは、米国でカーギルダウ社(現在はネーチャーワークス社)が年産14万トン設備を03年に建設、「レイキャ」の商品名で全世界に販売、これに続くメーカーも出現しているが、中国での生産計画ははじめて。
 
 日本では三井化学、ユニチカ、カネボウ、三菱ガス化学などがネーチャーワークスからの輸入品で、押出成形などにより日用器具、建築材、包装材料、紡織生地、自動車内装材、医療材料などに加工している。
 
 これらの製品は使用後に微生物などにより、自然に水と二酸化炭素(炭酸ガス)に分解し、土壌に戻るのが特徴。
 
 同済大学の試算ではトン当たり1万元(約14万円)で生産でき、すでに普及している同プラスチックが同3,000ドル(約33万円)になっているのに対し、割安になるとみている。
 
 同済大学はドイツの影響を受け、建築技術の研究にすぐれた伝統校だが、同プラスチック(1段法)は高分子材料専攻の学部で開発したと伝えられている。