2005年08月02日
三井化学、中国向けPTA価格を再引き上げへ
8月分、880ドルを目標に交渉を開始
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、PTA(高純度テレフタル酸)の中国向けの8月の輸出価格をCFRトン当たり880ドルに引き上げることにしてこのほど需要家各社に通告するとともに折衝を開始した。7月の価格に比べると10ドル高となる。
 
 同社は、中国向けPTAの価格については、5月の810ドルをボトムに6月に850ドルに、そして7月には870ドルへと2ヶ月連続して底上げしてきた。これは、原料PX(パラキシレン)の価格の高騰に対処して進めてきた値上げ要求が中国の需要家各社におおむね受け入れられてきたことによって実現できたもの。
 今回の8月分の値上の目的も、同じくPX価格の上昇分の製品価格への転嫁にあると説明している。PXの8月の国内価格は7月より同15ドル高の905ドルに引き上げられることが決定しており、このためPTAの採算維持にはどうしても10ドルの再値上げが必要になっているという。
 
 中国のPTAの需要は5月をボトムに順調に回復してきており、6月の輸入通関数量は前年同月を30.4%上回って59万3,706トンに達した。同国のポリエステル重合各社が軒並み稼働率を引き上げていることによるもので、この結果今年1月から6月までの総輸入数量は前年同期比9.8%増の308万1,926トンとなった。下期は上期を上回るペースで伸びて年トータルでの伸び率は少なくとも10%ていどになるというのが現在の同社の見方となっている。
 アジア全体の需給バランスも6月以降はこれまでになく引き締まってきており、このため同社の8月分の値上げの表明に対する強い拒否反応は今のところほとんど見られないという。ただし、これまでの交渉パターンから言えば中国の需要家が値上げ要求をすんなり受け入れる可能性は低く、全ての需要家の同意を取り付けるまでには3週間ていどかかると見られる。