2005年08月05日
三井化学、BPAの欧州向け輸出を再開の方向
EXメーカーの要求に対応、今秋にも実現か
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、BPA(ビスフェノール-A)の欧州向け輸出を再開する方向で具体的な検討を開始した。欧州各国のエポキシ樹脂メーカーの多くが輸出再開を強く求めてきていることによるもので、今年10月にも再開に踏み切る公算が濃厚となっている。
 
 同社は、かねてからBPAについては日本、アジア、欧州の3地域のPC(ポリカーボネート)市場とエポキシ樹脂市場を広くカバー、うち欧州には年平均4万トンを輸出してきた。ところが、大手ユーザーの帝人が今年3月末に浙江省に年産5万トン能力のPC設備を立ち上げたこともあって中国からの注文が大幅に拡大してきたため今年4月をもって欧州向けを中断する措置に踏み切っていた。
 それがここにきて再開の方向に傾いてきたのは、4月に韓国・LGが12万トンの、また6月には台湾・長春石化が13万5,000トンのそれぞれBPAプラントを建設したことでアジア地域のBPAの需給バランスに若干の余裕が生じてきたことと、原料不足をきたした欧州各国のエポキシ樹脂メーカーの多くが事業継続のため同社に供給の再開を強く求めてきたことによる。
 
 ただし、輸出を再開する場合も当面の数量は年間1万トンから2万トンの間に抑えざるを得ないとしている。なお、同社のBPAの生産能力は、日本国内21万トン、シンガポール23万トンの合計44万トン。