2005年08月10日 |
中国のエチレン輸入、今年も依然活発 |
上期計は前年同期の76%増に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
中国によるエチレンの輸入数量は、大型エチレンプラン2基が今年春に現地で相次いで稼動したあとも引き続き活発に推移している。今年上期(1〜6月期)の総輸入通関数量は4万9,831トンで、前年同期の実績を76.2%上回っている。 うちトップは韓国品の3万6,054トンで、全体の72%強を占めている。前年同期の実績の2.08倍となっている。これに続くのは日本品の1万875トンで、前年同期を21.3%上回っている。日韓の両国で全体の94%を占め、残りはインドネシア品の2,900トンとドイツ品の1トンのみとなっている。 中国によるエチレン輸入量の過去数年の動きをたどると、01年が7万4,260トン、02年が8万5,218トン、03年が4万6,623トン、そして04年が6万7,567トン--と年によって大きく変動している点が目を引く。ただし、どの年も韓国と日本が他を大きく圧倒しており、03年のように日本がシェア1位を占めた年もまれにある。 今年上期の場合も両国が引き続き1〜2位を占めているわけだが、これまでと大きく異なるのは両国の間の格差が大幅に広がっている点だ。これには、韓国のエチレンセンターの多くが国内向けよりも利益率の高い中国向け輸出により積極的に取り組み始めたことが大きく作用していると見られる。 それもあって、三井物産など大手商社の中には今年の中国の年間輸入量が初の10万トンの大台に乗るのが確実と予想する向きが多い。4〜6月に上海・SECCOが年産90万トンの、また揚子・BASFが60万トンのそれぞれ大型新エチレンプラントを相次いで稼動させているものの、誘導品プラントの拡張に十分対応しきれないでいるため、下期も輸入が少なくとも上期並みの規模になるとの判断によるもの。 |