2005年08月10日
MEGのスポット価格、アジアで再び上昇
中国向けの直近の価格は810ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 MEGの中国向けを中心としたアジア地域のスポット相場が7月中旬をボトムに再び上昇カーブを描き始めた。
 三菱化学などMEGメーカーによると、実際の取り引きの多くを占めるスポットものの直近の契約価格はCFRt当たり800ドル平均で、1週間前に比べると20ドル、2週間前に対比すると30ドル高くなっている。今年のボトムの5月中旬に比べると140ドルもの値戻しとなる。しかも、ごく最近決定した8月後半渡し分の中には810ドルをつけたものも見られるという。
 
 ここにきてアジアのスポット相場が反騰してきた最大の要因は、9月から始まる中国におけるポリエステル繊維の生産最盛期を直前に控えて同国のポリエステル重合企業が原料在庫の補充に動き始めた点にあると見られる。これまでの重合企業の多くは、欧米のポリエステル繊維の緊急輸入制限の動きを睨んで各種原料を買い控えてきたが、その結果最近では在庫規模が適正ラインを割り込むところが続出するに至っており、しかもナフサ価格の続騰に伴ってMEGも先高が必至の見通しともなってきたことから、再び在庫の積み増しに乗り出しつつあるという。
 
 MEGのアジア地域の需給バランスは、ポリエステル繊維の不需要期を除くと今年もタイトな状況にあり、したがって、これから商談が始まる9月のMEGのスポット価格は少なくとも850ドル、場合によっては900ドルになると見る向きが関係業界には多い。SABICは9月のコントラクト価格を830〜860ドルに設定しているが、実際の取引価格はこれを上回るのが確実との見方である。