2001年09月26日
三井化学とカーギル・ダウ「生分解プラ」ポリ乳酸で事業提携
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 カーギル・ダウLLCと三井化学の両社は26日、植物由来のグリーンプラ(生分解性プラスチック)、「ポリ乳酸(PLA)」の事業開発で提携することで合意し、契約締結したと発表した。

 PLAの商業化が進んでいるカーギル・ダウと三井化学が提携することによって、世界市場でのPLA市場の開発を加速させようというもので、この契約によりPLAの用途開発に関する特許や技術情報交換が可能になった。

 また三井化学はカーギル・ダウが生産するPLAの日本における開発および販売を独占的に行うことが可能になる。

 PLAは米国のコーンなどの植物由来の糖分を原料として製造する天然系の樹脂で、発酵と蒸留といった化学プロセスをベースに重合して容易に製造できる。

 カーギル・ダウは現在ネブラスカ州ブレアに年産14万トンと世界最大規模のPLA製造設備を建設中で、2001年末完工の予定となっている。

 一方、三井化学もポリ乳酸を原料としたグリーンプラ『LACEA(レイシア)』のパイロットプラントをもち、技術、市場の開発を行ってきた。
 今後はカーギル・ダウのPLAを使い『LACEA』の名称でマーケティングを行う方針だ。

 カーギル・ダウ社長 ランディ・ハワード氏の話
「日本は世界の中でPLAの開発が最も進んでいる。三井化学との契約は両社にとって理想的なものだ。再生可能な資源により、石油ベースの材料を置き換えていくという、新たな産業革命の一歩となるだろう」

 三井化学社長 中西宏幸氏の話
「三井化学にとって、PLAの世界的リーダーであるカーギル・ダウと本契約に調印できたことは非常に喜ばしい。両社の専門知識・技術の相乗効果によって、PLA市場の拡大が加速されると期待している」