2005年08月24日
宇部興産、合成「マリン系香料」年産500トン設備 06年7月稼動
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産は24日、二価フェノールの新規誘導体であるマリン系香料「ヘリオフレッシュ(R)」の本格生産設備を宇部ケミカル工場内に設置すると発表した。06年7月の稼動入りをめどに年産500トン設備を設置する。

「ヘリオフレッシュ(R)」は、03年に同社が世界で初めてカテコールからの完全合成に成功したマリン系香料で、メロンやスイカのような瑞々しい香りが特徴。最近ではトレンディな香りとして有名な香水にも数多く使われ、注目されている。

 従来、この種の香料は、主として中国南部からベトナムに群生するクスノキ科の「サッサフラス」から得られるサフロールを原料として製造されていたが、近年、乱伐による資源の枯渇や、水害防止・環境保護のため伐採規制が厳しくなってきている。

 こうした状況のもと、宇部興産では植物由来ではない新たな合成法を開発。04年からマルチプラントで生産を開始したところ、高い純度と爽やかな香りから、世界の大手トイレタリー・香料メーカーから高い評価を得た。

 本格生産設備は、年産能力500トン。ほぼ全世界の需要を賄うことができる。06年7月に稼動入りし、07年度にはフル生産を目ざす。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1124859360.pdf