2005年08月26日
樹脂メーカー、相次ぎ値上げ表明の構え
4Qのナフサ価格、4万4,000以上と予想
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大洋塩ビなど塩ビメーカーに続いてポリオレフィンメーカーの間でも原料ナフサの高騰に対処するため前年品種の値上げに踏み切るところが相次ぐ見通しとなってきた。多くのメーカーが、週明けから1〜2週間の間に具体的な計画を打ち上げることになりそう。
 
 今回の値上げは、10〜12月期の原料ナフサ価格が1キロリットル当たり4万4,000〜4万5,000円に跳ね上がる公算が濃厚となってきた点を睨んでのもの。7〜9月期のナフサ価格は3万8,000〜3万9,000円となる見通しであり、したがって、10〜12月期が4万4,000〜4万5,000円になった場合は、オレフィンのコストは1キログラム当たり12〜14円引き上げられることになる。
 一方、現在のポリオレフィンの価格はナフサ1キロリットル当たり3万5,000〜3万7,000円見合いのレベルにあると見られている。このため、最近のポリオレフィンメーカーの間では、採算を確保するには今回は同18〜20円の値上げが必要と指摘する向きが少なくない。また、高圧法低密度ポリエチレン(HP-LDPE)メーカーは、これまでほとんど実現できないできた電力費の高騰分についても今回は何としても転嫁するようにしたいと述べるところが多い。
 
 こうした動きに対してはフィルムメーカーをはじめとした需要家の多くが反発の構えを強めている。これまでのレジンの値上がり分の多くを製品価格に転嫁できないできているためだ。しかし同樹脂メーカーも赤字出荷は回避せざるを得ないだけに強気で押し通す姿勢だ。