2005年08月29日 |
大洋塩ビ、9月の中国向けPVC価格交渉を決着 |
3ヶ月連続の底上げでトン800ドルに |
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:大洋塩ビ |
PVC(塩ビポリマー)最大手の大洋塩ビは29日、中国の塩ビ樹脂加工大手各社との間で同樹脂の9月の輸出価格交渉をまとめた。 この結果、CFRベースの新価格はトン当たり800ドルとなった。信越化学やカネカなど他のPVCメーカーもほぼ同じレベルで決着した模様。8月は780〜790ドルであったので、9月の上げ幅は10〜20ドルの小幅にとどまる。しかしこれに伴い、わが国のPVCメーカーによる対中輸出価格は6月の700〜720ドルをボトムに3ヶ月連続の改善が実現した。ほぼ5月の水準まで戻ったことになる。 中国のPVCの需要は、今年に入っても引き続き着実な伸びを遂げている。ただし、春先に同国国内でアセチレン・カーバイド法設備が相次いで稼動を再開したため需給が一時的に緩み、このため6月にはわが国や台湾のPVCメーカーは軒並み輸出価格の引き下げを余儀なくされた。しかしその後は、電力不足等によるカーバイド法設備の稼働率の低下や同国国内のPVC在庫の縮小等から需給バランスが回復、それに歩調を合わせるかたちでわが国からの輸出価格も改善されてきているところ。 もっとも、大洋塩ビなどわが国のPVCメーカーは、ナフサ価格の急騰によって採算を大きく圧迫されているため同樹脂の内外の価格の再引き上げが急務となっている。国内向けについてはキロ10〜15円の値上げを打ち出しているが、中国向け輸出価格も同じく10月分を再修正することになりそう。 |