2002年05月13日
中外製薬・永山社長「ロシュとの統合効果大きい」売上高など上方修正
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:中外製薬

 10月の事業統合に向けて準備中の日本ロシュと中外製薬は7日、統合後の2005年度を目標とした「ビジネスプラン」を発表した。この中で中外の永山治社長は「統合によるシナジー効果は、予想以上に大きい」との点を強調、売上げは当初目標の3,000億円から3,150億円、営業利益も同じく600億円から630億円に上方修正したことを明らかにした。
 
 発表会見には永山社長とロシュの会長兼CEOフランツB.フーマー氏が出席、この中で永山社長は、ロシュとのアライアンスにより、新たなビジネスモデルが確立できるとし、同社が重要分野と位置づけている癌、腎、骨、抗体医薬、バイオテクノロジーの各分野で国内トップシェアが獲得できること、製品ラインアップの拡充や生産・コスト両面でシナジー効果が期待できることなどの統合メリットを強調した。
 
 統合委員会の作業の結果、05年度までに期待できるシナジー効果は(1)売上げ補完180億円(2)人件費抑制70億円(3)その他のコスト削減40億円にのぼる見込み。人員は定年や早期退職制度の実施により8%減の4,700人に、拠点統合では、7工場を4工場に、研究所を6から4に、その他支店、出張所など合わせて134拠点を77拠点に削減する。
 
 売上げ目標は、前回発表(2001年12月)から150億円増えて3,150億円に、営業利益も30億円増の630億円に上方修正した。永山社長は「国内医療用医薬品市場で売上高第4位、シェア5%を目指す」と展開に強い意欲を示した。
 
 懸念されていた1株当りの営業利益希薄化については「当初の目標より1年前倒しして、03年度には中外単独で事業するよりも高い利益があげられる」と解消を強調。1株当り営業利益予想によると、中外単独では今年度見込み84円が03年度82円、05年度95円となる見通しだが、合併により02年度はコスト負担増から低下するものの、03年度には83円と中外単独を上回るとしている。