2001年09月25日
プラスチック・サイディングの需要開拓が進展
懇話会の今年度の見通しは1,000軒の大台
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:ゼオン化成、大洋塩ビ、三菱樹脂、塩ビ工業・環境協会

 プラスチック・サイデング懇話会によると、プラスチック・サイディング(家屋、アパート、店舗、ビルなど各種建築物の外装材)の市場開拓がここにきて大きく進展、今年度の採用軒数(施工件数)は1,000軒の大台を超える見通しが出てきたという。これまでの実績は、98年度が70軒、99年度が150軒、そして昨年度が400軒であったので、同懇話会の見込み通りにいくと今年度は大幅な記録更新となる。
 
 プラスチック・サイディングは、(1)衝撃に強く、凹みやひっかき傷や凍害に強いこと(2)塗り替えが不要で、30年以上にわたって最初の美しさをそのまま保持できること(3)塩害や酸性雨、火山灰などによる錆び・腐食がないこと(4)カラフルで美しい外観が得られ、木目調や石目調などの自然なやさしい感じに仕上げることもできること(5)超軽量なので運搬や施工が容易であり、また、既存の壁に負担がかからないこと--等が特徴。
 このため欧米先進国、特に米国では早くから普及、米国の塩ビの年間総出荷量650万トンのうちおよそ100万トンが同サイディング材向けで消化されているという。
 
 わが国では、関係業界全体のPR・普及活動が十分でなかったため、その存在自体が市場であまり知られないできた。しかし最近は、塩ビ工業・環境協会の開発部会と三菱樹脂、ゼオン化成の3者が同懇話会を組織して積極的にPR・啓蒙と市場開拓に乗り出したこともあって建築関係者の間で同サイディングの持つメリットが次第に理解されるようになり、それが発注件数の急拡大に結びつき始めているという。同懇話会では、来年度は2,000軒を施工目標に掲げていきたい(佐々木慎介・塩ビ工業・環境協会技術委員会開発専門部会部会長・大洋塩ビ品質保証室長)としている。