2005年09月05日
三井化学、PTAの中国向け輸出価格を引き上げへ
9月分、トン35ドル高の905ドルでノミネート
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、9月のPTAの中国向け輸出価格をトン当たり35ドル引き上げることにして先週末に現地の需要家各社に通告するとともに受け入れの説得を開始した。7月と8月がともにCFR同870ドルであったのを905ドルまで引き上げる。
 
 今回の価格修正は、原料PX(パラキシレン)の9月の価格が8月の同905ドルから950ドルに引き上げられることが決定したのに対処してのもの。
 
 PTAの中国の需要は夏場になって再び活発化、7月の総輸入通関数量は前年同月を31.2%上回って64万2,358トンとなった。月間輸入量としては史上最大規模であり、この結果、1月から7月までの累計は前年同期比13%増の372万4,284トンとなった。このままいくと、年計は、過去最大の昨年の570万トンを上回るのが確実といえる。
 同社によると、現在のアジア地域における需給バランスは極めてタイトな状態にあるが、9月以降はさらに品不足が深刻になる見通しという。これは、9月から10月にかけて同社をはじめとしたアジア地域のPTAメーカーの間で定修を実施するところが相次ぐ見込みとなっているのと、一方の需要が来春のポリエステル繊維の生産の最盛期入りに伴って拡大しつつあることによるもの。このため、当面の9月の輸出価格の引き上げが中国市場に受け入れられる可能性は高いと見られる。